2010年04月16日

明治初頭

「警視庁草紙(上)」山田風太郎 読了。

元南町奉行、元八丁堀同心、元岡っ引きチーム対警視庁が難事件を追走する。

「明治牡丹灯篭」に西郷隆盛、落語家円朝、半七捕物帳の半七親分が登場。密室殺人事件で一人の男が死ぬ。
「黒暗淵の警視庁」では江藤新平、岩倉具視に元新撰組で現巡査が登場。
牛鍋屋乱闘殺人事件が起きれば、岩倉具視襲撃事件も起き、銭湯乱闘騒ぎを起こし警視庁を煙に巻き、「人も獣も天地の虫」では坂本竜馬のお竜が絡んでの売春婦摘発事件。そこに清水の次郎長の子分小政が警官に殴りこみをかけて切り死になどなど。
極めつけは「数奇屋門外の変」では18人大量毒殺事件が起きる。


歴史的有名人がチョイチョイと顔を出し、殺人事件のオンパレードに彩りを加える。14,5歳の森鴎外に8歳の漱石、3歳の樋口一葉まで出てきた。

明治初年、ねじりまんぼの時代風景を知ろうと読んだ本書。
斯くも殺人事件に有名人が参加していることかとは到底思わないが、

「死刑に処せられた者が、明治6年で946人である。7年で722人である。そしてこの8年では451人である。」

苛斂誅求とはこのことで「めちゃくちゃ」やりおると風太郎先生。

「さて、明治8年に死刑になった451人のうち、絞首刑が66人を超える。
以前にはなかった現象だ」

つまり、以前は磔、獄門、斬首などであったのが文明開化で絞首刑が採用されるようになった。

ふと、思った
明治初年と言うのは、封建制社会ではないか
明治維新とは単なる政治権力を奪取したクーデターではないかと

金融資本が誕生するのもこれから先だし、地主小作の農業基盤も変わりない。

そういえば、この時期まだ、武士は刀を持っても良いし、元南町奉行も、元同心も髷を結っているし、元岡っ引きはザンギリ頭にする床屋でなく「髪結い」を職にしている。
風俗的にもまだ江戸時代が残っている

明治維新、「明治初年」とはチョンマゲ派VSザンギリ頭派の戦いであり、ザンギリ頭派はアヘン戦争など帝国主義の潮流の中で、中央集権国家作り、力の政治を強引にやり始めたものの、庶民は髷を結うものもおれば、ザンギリ頭にするものもあれば、江戸時代同様の衣服に身を包んでいたのではなかったのか。

「西南の役」では確かに西郷派は武士スタイルで戦闘していた。チョンマゲはあったかなかったかは知らないが。

そう考えると、ねじりまんぼ建設工事の作業員の服装も、江戸時代風に想像すれば良いのかもしれない。

そこにイギリス人技術者が指導し、通訳の洋服を着た日本人技師がいたり、紋付はかまの地域の有力者が見物に来たり。

そんな光景ではなかったのだろうか。
posted by たけちゃん at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする