蹴上のねじりまんぼはインクラインの下をくぐる斜めアーチだ。
砂利道にレール
蹴上のねじりまんぼの上
「インクライン」と呼ばれる設備(レールが見える)
貨車かと思えるような鉄枠の中に和船が載っている。
レールの上の鉄枠にワイヤをつけてウインチで巻き取る。
それをインクラインと言うそうだ。
インクラインについては詳しい紹介が色んなところで紹介されている。
ねじりまんぼは知っていたがこの、インクラインを誤解していた。
電車のスイッチバックか何かかと思っていた。
まさか、船を運び上げるとは。
スパンも600m弱で短くはない。
琵琶湖疏水の川床勾配が強いので船が上流へ行けない。それなら、ワイヤで船を陸上牽引しようとは!
面白い発想だ。聞いたことがなかった。
この面白い光景こそが「ねじりまんぼ」の篇額の「雄観奇想」の意味なのだ。
この光景を知らずに扁額だけ読んでいた頃は??の世界であった。
「単に素晴らしい光景とか奇妙な考え」という国語的な一般的解釈は解釈として、船が陸を走るという発想とその光景を特定したものなのだ。
それを表明する場はインクラインの下をくぐるねじりまんぼの正面、正門に掲げるのがふさわしい。
そう解釈することにした。
ねじりまんぼの裏側には水道用か発電用かわからないが大きな鉄管が斜面を下っている。だから、ねじりまんぼの裏側の篇額は損傷して読めないが「陽気発処」と掲げた。
水道を作り、水運事業を起こし、発電をし、電車を走らせ
まさに「産業活気の発生の根源の場」だからこその「陽気発処」
ねじりまんぼの巻き過ぎも「雄観奇想」に適合させたパフォーマンスのような気がしてならない。